チャイコフスキーの交響曲第5番より第4楽章、及びボロディンの「ダッタン人の踊り」の一部をレッスンしました。
チャイコフスキーの5番の方、第4楽章の楽譜の冒頭に「Andante maestoso」と記されているとおり、堂々としたイメージが要となります。
「mf」以上の強弱記号の箇所では縮こまらず、音をハッキリと発音して弾くように心掛けましょう。
第16小節(A)以降のピッツィカートのパッセージ等は、ハーフポジションも取り入れた指使いが必要になります。
(※#記号が4つになるE-Durでは開放弦が殆ど使えなくなるため、機敏なポジション移動が必須になります。)
どのポジションでどの指を使えば良いのか、前後関係を考えてよく検討してみて下さい。
第39小節〜40小節など、指使いを工夫すればG線だけで弾くことも可能になります。
第58小節(#が一つになり、4分の4拍子から2分の2拍子に変わる箇所)では、テンポがいきなり2倍、速くなります。
それに加えて拍の頭を全てダウンBowで弾くように指定されています。
その弾き方について、手短かにレクチャーしておきました。
これを楽譜通りに弾くためには、一つの4分音符を弾いたら瞬時に弓を元の方に戻す…という瞬間的な右手の操作が必須になります。
出来る範囲で検討してみて下さい。
その後に出てくるピッツィカートの箇所やメロディの後追いのパッセージなど、急速なポジション移動も必要になります。
どのポジションでどの指を使うのかを咄嗟に判断することが出来なければ、この楽章を弾くのは困難になります。
残り時間が少なくなっていますので、楽譜に書かれた通りにしっかりと弾く練習をしておきましょう。
残りの時間、ボロディンのダッタン人の踊りの一部をレクチャーしました。
「B」の部分など、チェロセクションでメロディックな上のパートはオーケストラの中では埋もれがちになりやすいので、弓を多めに使って、朗々と楽器を響かせるようにしましょう。
10月以降のレッスンはエチュードの教本に戻ります。
ドッツァウアーの3番と、ウェルナーの55ページから再開する予定です。