本日はチャイコフスキーの交響曲第5番より、第一楽章をレッスンしました。
この第一楽章ですが、始めにAndanteの序奏があり、その後にAllegroで8分の6拍子の主部が最後まで続きます。
第一楽章では主部の8分の6拍子(=大きい2拍子)の拍節に乗って弾くことがポイントになります。
序奏が終わって8分の6拍子、Allegroの主部が始まりますが、強弱記号の「ppp」が記されています。
オーケストラで弾く際、「pp」以下の強弱記号が記されていた場合は、弓の先の方を使うのが基本になります。
弓の元の方を使うのは基本として「f」等の強音部を弾く時になります。
強弱記号と弦に当たる弓の位置は、常に注意する必要があります。
第84小節目(D)の付点8分音符の弾き方について、給付がある場合と無い場合の違いについて、本日は詳しくレクチャー致しました。
チャイコフスキーのオーケストラ曲では、同じテーマでも音符の長さを変えていることが良くあります。
第84小節では付点音符に休符がありませんが、第198小節以降に出てくる付点音符では間に16分休符が記されています。
これは、同じ付点音符でも処理の仕方を明白に区別して弾くことをチャイコフスキーは意図して記しています。
このような、同じ音形でも音符の長さを変えてある箇所では、チャイコフスキーの音楽では特に注意が必要になります。(第4楽章でも、同様の箇所があります。)
また、第116小節(「F」の2小節後)から第123小節にかけて、音符の動きが同じでも、そこに記された強弱記号が大幅に違っていることについて、本日は詳しくレクチャー致しました。
そのフレーズの出だしのF#音が、1度目は「sfp」、2度目は「mf」になっているのがお分かりかと思います。
特に、1度目の「sfp」で、弾いた瞬間に弓を失速させることがこの箇所のポイントになります。
また次回以降、検討致しましょう。