ドッツァウアーの113の練習曲より、10番をレッスンしました。
通して弾いて頂いたところ、真っ先に気になりましたのが、弦に当たる弓の位置と、弦に対する弓の角度の「ブレ」です。
弾き始めてから直ちに弓が指板の上を弾いており、弦に対する弓の角度もかなり斜めに傾いていました。
このままでは弦楽器の音を普通に鳴らすことが困難になってしまうため、その解決策として曲を弾く前に、4本の弦の開放弦での全弓のロングトーンの練習を行うことを推奨しておきました。
この、弓元から弓先までのロングトーンを行う際の注意点として、
●弦に当たる弓の位置を絶えず目で見て、元から先まで、弓の位置がズレないことを確実に実践すること。
●可能な範囲で、駒に近い方(A線では駒から3cm付近)に弓を当てること。
以上についてレクチャー致しました。

また、この曲をより音楽的に奏でるために、4小節単位のフレーズの処理の仕方についてレクチャーしました。
「p」の弱音で始まり、音の上行に伴ってボリュームを膨らませて、4小節目の4分音符でフレーズの区切りになる…というフレーズの繰り返しが基盤になっています。
この、フレーズの最後の4分音符の処理の仕方につきまして、休符に向かって右手の弦に加える圧力はどんどん減らして行きながら、左手は音が消えても弦を強く押さえたままビブラートを止めない…という、弦楽器上達における重要なポイントについて、実演にて説明致しておきました。
また次回、10番をリトライ致しましょう。