ドッツァウアーのエチュード5番から開始しました。
通して弾いて頂いたところ、左手の広い形で押さえる箇所での指の拡張が足りていないようでした。
例えば1段目の最後の小節、小指で押さえるG#音ですが、小指と同時に親指を中指の対面に即座に移動させないと、正しい音程は取れません。
その逆に3段目の最後の小節、人差し指で押さえるB♭音ですが、指が曲がった状態で押さえているために音程が上ずり、手首を下方に移動させるという無駄な動きをしているようでした。
このB♭音を押さえる際は人差し指を伸ばして押さえるだけで、手首の位置は変わりません。
この5番のエチュードにつきましては、第一ポジションでの基本の形に加えて上記の2つの左手の操作を行うことで演奏が可能になります。
また、ドッツァウアー特有の鍵カッコが記された箇所では一度押さえた指を離さないことを徹底させましょう。
下から2段目の最後の小節、F-G#の音符において、お手持ちの楽譜には2-4の指番号しか記されていないようですが、この箇所のみ第ニポジションに移動して1-4の指で押さえる方が楽であることを補足しておきました。
数回リトライして諸々改善されましたので、5番はクリヤーと致します。
次回は6番に進みますので、楽譜を見ておいて下さい。
楽譜の版によっては出だしをアップBowで始めるように書かれているようですが、この音形では普通にダウンBowから始める方が、より自然な拍節感になるかと思います。
5番と同じように8分音符にスタッカートが記されていますが、6番の方は心持ち長めの、音をしっかりと発音してから余韻を残すようなスタッカートの弾き方が妥当かと思います。
その後、ウェルナーの教本の57ページ、第三ポジションのエチュードをリトライする予定です。