ドッツァウアーのエチュード6番から開始しました。
通して弾いて頂いたところ、全体的に音は前回より良く鳴っているように思いました。
先ず気になりましたのは、臨時記号の「#」が付いている音符の音程がことごとく低めになっていたことです。
上から4段目の3小節目の「F#」音など、ほぼ半音ほど低い「F」の音程にしか思えませんでしたので、第1ポジションの基本の形から広い形に指を拡げる際、「親指」を速やかに中指の対面に移動させることを常に意識するよつに習慣づけましょう。
この「親指」が中指の対面に来ていない限り、正しい音程を定めることは永久に出来なくなります。
この左手の基本操作は確実に習得する必要があります。
右手の方ですが、音符の発音がまだ鈍い感がありました。
「全ての音符をハッキリと発音させる」という基本技術も、弦楽器を弾く際はかなり重要な項目になります。
この6番では冒頭に「risoluto=決然と」という発想標語が記されていますので、弓を弦に付けて、しっかりと弦を「噛んでから」音を鳴らすという基本技術を意識して弾くようにしましょう。
数回リトライして改善されましたので、6番はクリヤーと致します。
8番に移り、通して弾いて頂きました。
弓順があやふやになっていたようなので、8分音符8つごと(1小節ごと)にダウン、アップで弓を返すことに注意して、再度弾いて頂きました。
この曲はレガートで滑らかに弾くエチュードですが、移弦のところで押さえた指を移弦と同時に離さずに、次の音を弾いてから離す…という左手の基本は良く改善されていたように思います。
右手の方ですが、弦に当たる弓の位置(擦弦ポイント)につきまして、第1ポジションから第4ポジションに移動する箇所(上から2段目、2小節目の「f」のパッセージなど)で弓がまだ適切な位置に当たっていないようでした。
この擦弦ポイントにつきまして、鍵盤楽器のピアノのハンマーの位置を例に取って説明致しました。
ピアノの弦を叩くハンマーは、弦の長さに対して12対1のところを叩くように作られています。
この位置は、チェロの開放弦に置き換えると駒から約5cmのあたりになります。
この割合を適合させた場合、上から2段目の2小節目、第4ポジションで弦の長さが半分近くになれば、駒から2.5cmあたりに弓を当てることで同じ条件が保たれる…ということになります。
これは以前に幾度か説明したかもですが、この(擦弦ポイント)というのは弦楽器ではかなり重要な項目になりますので、とにかく弓が弦のどの辺に当たっているか…は、常に注意する必要があります。
これは慣れてくると目で見なくとも、鳴っている音の感触で、弓が適した位置に当たっているかどうかが分かるようになります。
そうなることを目指して、トライして参りましょう。
次回、8番をリトライ致します。
その後10番に移りますので、事前にお渡ししました小生による改作の(重音を省いた)楽譜を見ておいて下さい。