ドッツァウアーの113曲のエチュードより、第6番から開始しました。この曲は楽譜の冒頭に強弱記号の「f」に加えて、risoluto(リゾリュート=決然と)という発送標語が記されています。
全ての8分音符にスタッカート記号が付けられていますが、この場合の「・」は単なるスタッカートの意味に捉えず、一つ一つの音をしっかりと発音させることを促している記号だと私的には察しています。
つまり、基本的に楽器を良く鳴らしつつ、「f」でも「p」でも、全ての音符をハッキリと発音させることが前提ということになります。
初歩の段階ではダウンbow、アップbowの弓の返弓を柔軟にするための右手の指先の訓練を優先してレッスンを始めましたが、歯切れの良い音の発音というのも弦楽器にとっては重要な要素の一つです。
弓で「弦をしっかりと噛む」ということにポイントを置いて、また6番をリトライ致しましょう。
ウェルナーの教本に移り、57ページのNo.11aを通して弾いて頂きました。
最後まで音を間違わずに弾けるようになっていましたので、この曲はクリヤーです。
4分音符、2分音符にヴィブラートをかけたいところですが、これは次回以降の曲で手掛けて行こうと思います。
ウェルナーの教本はこれにて終了と致します。
残りの時間、ヴィブラートのかけ方についてレクチャーしておきました。
このヴィブラートは、一言で言えば「肘を軸とした腕の振動を効率よく指先に伝える」という操作で可能になります。
次のテキストとしてセバスチャン・リーの40曲のメロディックエチュードを推奨しておきました。
このエチュードでは並行して進めているドッツァウアーの113曲のエチュードとは対照的に、旋律をより音楽的に弾くために必要な諸々の操作等を細かに習得して参ります。
次回はこのテキストの1番に進みますので、楽譜を見ておいて下さい。