オーケストラ曲の方ですが、まず手始めに、パート譜の譜めくりについて手短にレクチャー致しました。
オーケストラの弦楽器パートにおきましては前から順に第一プルト、第二プルト…と、2人ずつ並んで座りますが、通常は各プルトの裏側の人が楽譜をめくります。
そこで注意する必要があるのは、表側で弾いている人が次のページの音符を見失なわないよう、心持ち早めにページをめくることです。
その際、前のページの音符、或いは休符の数なども忘れないよう、めくる部分に手書きでその部分のガイドを記しておくことを伝授しておきました。
オーケストラ曲を弾くにあたってこの譜めくりのフォローは意外に大切なことですので、長い曲を演奏する際は検討してみて下さい。
曲の方はチャイコフスキーの交響曲第一番の第二楽章から開始しました。
中間部、高音域でのメロディーの弾き方ですが、親指を指板に乗せる奏法を用いるとポジションの移動を最小限に出来ることを実演で示しておきました。
但し、チェロの音色としてはあまり移弦せずに、A線を基盤とした方が好ましいと思われます。
その場合はポジションの移動がかなり大きくなりますが、最高音である「C」音を速やかに定めるのがポイントになるかと思います。
指使いも何通りかありますので、また次回検討致しましょう。
続いてスラブ行進曲について質問がありましたので、その部分を取り上げました。
最強奏の「fff」で弾くメロディの箇所、現段階では要所で薬指を使うのはOKです。
人差し指から小指まで、同等に使いこなすにはまだ時間がかかるかと思います。
その箇所の別の指使いを手短かに伝授しておきました。
最後に、モーツァルトの室内楽曲についてレッスンしました。
そのレッスンで要となりましたのは、モーツァルトの音楽でチェロパートに頻繁に出てくる、伴奏としてのリズム刻みの弾き方です。
8分音符が連なる刻みの箇所などは、弓が弦から一瞬離れるスタッカート奏法が基本になります。
弦の張力と弓の毛の部分の張力を利用して、弓を自然に弾ませる…ということです。
これまでのレッスンでは行っていなかった項目につき、戸惑っていたようですが、その感覚を覚えればかなり容易な奏法です。
また次回、リトライ致しましょう。