前回に引き続き、右手の基礎訓練から開始しました。
最初に弓の元の方にて、ダウン、アップBowの返弓動作を各4本の弦にて行って頂きました。
前回に比べてとても良くなっており、感心しました。
レッスン時に補足しておきましたが、指の屈伸に伴う右手首の左右方向の移動は約2〜3cmほどあれば十分かと思います。
それ以上移動させると、指の屈伸を行わないとき以上に弦に対する弓の角度がブレる可能性が大です。
この訓練を行う際は、弦に対する弓の角度が常に90度に保たれていることに注意しましょう。
残りの時間、モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークのチェロパートの弾き方について手短かにレクチャー致しました。
チャイコフスキーのオーケストラ曲とは打って変わり、古い音楽のチェロパートの基盤であった「通奏低音」に基づく音形が大半を占めています。
8分音符や4分音符でリズムを刻む箇所が多くなりますが、モーツァルトの音楽でその刻みを行う場合、音味として幾分軽さが感じられる弾き方をする必要があります。
その説明として、「弓が弦から離れずに弾んでいる感触」を、実演にて示しておきました。
かなり専門的な分野になりますが、その作曲家の活躍した時代「様式」により、同じ音符でも弾き方が大幅にに変わってきます。
ともあれ、現段階では右手、左手共に基本技術を習得することが先決ですので、左手の方はとにかく、1指-2指間を十分に開く拡張の練習を優先してトライしておいて下さい。