本日は体験レッスン、お疲れさまでした。
基礎からやり直したいというご要望がありましたので、最初にハ長調の音階を弾いて頂きました。
音程は程よく定まっていて良いと思いました。
下行形のときの左手の指の押さえ方で修正したいところがありましたので、まず最初にレクチャー致しました。
小指で弦を押さえる際は薬指、中指、人差し指も同時に押さえるのが基本になります。
そして指を離す際、一つ上の指で弦を軽く弾きながら離します。
レッスン時の実演でお分かり頂けたかと思いますが、弓を使わなくてもこれだけで微かに音が鳴ります。
これにより、スラーをかけても音がハッキリ聴こえるようになります。
続いて右手のBowingの方をチェック致しました。
弓の持ち方はとても良い感じのように思います。
音を出して頂いたところ弓を返すときに各指が伸びたままのようでしたので、本日お渡ししましたイラスト入りの解説文と共に弓の理想的な持ち方と、返弓時における指の動作等につきまして詳しくレクチャー致しました。 先ず、親指の先に中指の第一関節の内側を当てます。そしてこの形の2本の指の間に弓をしっかりと挟み込むのが弓を保持する前提になります。 その他の指は中指と同じように、第一関節の内側で弓をくるむようにして弓を持ちます。
中指と親指以外の指の力が抜けていることで指先の柔軟な操作が可能になりますので、支点となる中指と親指の2本の指でしっかりと弓をくるむことを意識してみて下さい。 次にレクチャーしましたのは弓の返弓時における指先の操作です。
最初は戸惑われるかもしれませんが、返弓時に手首をスムーズに先行させるために、指の屈伸運動を行います。
ダウンBowの際は指を曲げることで手首が右方向に、アップBowの際は指を伸ばすことで手首が左方向に、それぞれ先行します。 この動作を行うためには右手の甲をほんの少し、時計と反対回りに傾ける必要があります。
この技術の習得法としまして、弓を弦に乗せて静止させておき、指の屈伸運動だけで手首が左右に移動するという操作を練習してみて下さい。 次に、ダウンBow、アップBow共に手首の先行が確認出来てから弓を移動して音を出す、という練習を行ってみて下さい。
このような操作を連携させることで、実際のスムーズな返弓が可能になります。
次に、全弓でのBowingもチェックしておきました。
弓先に行った際に音が痩せないこと、及びA線で弓先に行った際は右手を右前方に突き出すような形になること等を指摘致しました。 楽曲に移り、「金婚式」をひと通り演奏して頂きました。
ヴィブラートが程よくかけられており、好感が持てます。
全体的に弓を使う幅が少ないように思いました。
この曲は前半と後半で曲想にかなり差がありますので、メリハリをしっかり施すことで曲のキャラクターがより明瞭になります。
そうするためには弓の使い方も大切になりますので、その準備として、基礎練習をよく行っておくことを推奨致します。
残りの時間、ヴィブラート奏法について手短にレクチャーしておきました。
肘を軸として、親指を支点とした、腕の回転、反復運動。
これが私の考えるヴィブラートの定義になります。
また、中指と人差し指でヴィブラートをかける際は親指を少し下方にずらす(引き代をとる)という操作も伝授しておきました。
以上が本日のレッスン時間内に行った内容になります。