前回に引き続き、始めに右手のロングトーンのチェックを行いました。
C線からA線の4本の弦にて、弓元から弓先までのロングトーンを弾いて頂きましたが、弦に当たる弓の位置がほぼズレずに各弦とも90度の角度を保っているのが確認出来ました。
弓を保持する右手の形も格段に良くなっていましたので、基礎練習の際はこの時の感覚を維持しましょう。
ウェルナーの教本に移り、55ページの第一ポジション、第4ポジションの移動の練習曲を弾いて頂きました。
こちらも前回より格段に良くなっているのが確認出来ました。
Bowingも含めて諸々改善されていましたので、この練習曲はクリヤーと致します。
次回は57ページのNo.11a(第3ポジション)に進みますので、手書きで記した弓順にて見ておいて下さい。
ドッツァウアーの教本に移り、3番を通して弾いて頂きました。
出だしのところ、4指(小指)で押さえる音符の音程が前回と同様に低くなる傾向が見受けられましたので、修正致しました。
音程を定めるときの左手の指ですが、指板を目で見て視覚的に定めるのではなく、「耳」で聴いて心地よいと思う音程を瞬時に捉える…ということを念頭に置いて音程を定めることを検討してみて下さい。
また次回、3番をリトライ致しましょう。
残りの時間、オーケストラ曲について手短かにレクチャー致しました。
ベルリオーズの幻想交響曲、第5楽章の練習番号「64」の後に出てくる16分音符が連なるパッセージで、左手の指使いの別バージョンを伝授致しました。
基本とは違って特殊な拡張形になる形ですが…
曲によっては時として異例な奏法を使うときがあるということを伝授しておきました。
続いてブラームスの交響曲第2番より第二楽章の冒頭部、チェロパートの楽譜に記された「poco f」の意味について手短かにレクチャー致しました。
「poco」はイタリア語で基本的に「少し」という意味ですが、ブラームスの楽譜によく記されている「poco f」は、「少しf」という意味ではありません。
「f」は殆ど無い…と捉えるのが妥当です。
この「poco f」は、ブラームスの曲では「espressivo」(=表情豊かに)という発想標語が良く付け加えられていますが、つまり、音楽的には豊かな表情を付けながらも、音量は極力控えめに…という意味になります。