前回に引き続き、チャイコフスキーの交響曲第1番より第三楽章からレッスンを開始しました。先ず最初にこの曲のチェロパートにおける最高音「D」があるパッセージをリトライ致しました。
この音域では左手の親指を指板の上に乗せる、ハイ・ポジションの形が必須となります。
その下準備として先日、第2ポジションから第9ポジションの指練習の楽譜をお渡ししましたので、お時間のあります時にこれをトライしてみて下さい。
本日は例外として、第7ポジション以下でも親指を指板に乗せる必要がある場合があること等を伝授しておきました。
次に、集結部の2小節の重音の箇所の弾き方をリトライ致しました。
この2つの重音は8分音符にスタッカート記号「・」が付けられていますので、かなり短く、キレのある弾き方を要求していると思われます。
レッスン時に申し上げましたが、最終小節の4本の弦の重音につきまして、チェロの開放弦である最低音の「C」はコントラバスが全く同じ音を受け持っているので、4本の弦を弾くのが困難な場合はC線の開放弦を省くのを推奨します。
続いて第四楽章に移りました。
1ページ目の中段、Allegro moderatoになってからのスラー記号についてレクチャー致しました。
小節を跨って付けられた8分音符7つ分のスラーですが、ここは流れ的にスラーを小節の頭で切り、弓をダウンBowに返す方が自然かと思われます。
検討されてみて下さい。
2ページ目以降、8分音符が連なる箇所は先ず、小節の頭拍がダウンBowになることを念頭に置いておきましょう。
この楽章の終盤に向けても同様、弓を細かく刻んでいる時はとにかく、小節の頭がダウンBowになるのが基本になります。
19ページの中段、8分音符2つにスラーが付いている箇所のみ例外になり、一小節ごとに弓順が逆になります。
このパッセージはテンポが速いほど難しくなります。
「逆順のボウイングでも強拍の音にアクセントを付ける」ということを意識して練習しておきましょう。
残りの時間、スラブ行進曲をレッスンしました。
冒頭の「pp」のパッセージ、32分音符3つの前打音の処理の仕方ですが、私としては無意識に第3ポジションでの1指から即座にポジション移動して第4ポジションの1指に移動する弾き方になります。
1-1-3-4の指番号になります。
弾き易い指は多分に個人差がありますので、いろいろと検討してみて下さい。
残り時間が少なくなりましたので以降は手短かなレッスンになりましたが、この曲は「変ロ短調」という、フラット記号が5個付いた調性になりますので、その音符がフラットなのかナチュラルなのか、迷わずに弾けるように練習しておきましょう。
レッスン終了後に申し上げておきましたが、本番に向けてはとりあえず、
◯間違った音は出さないこと
◯長い休符の後で出るところを間違えないよう、休みの小節の数をカウントすること
◯自信を持って弾けるパッセージを出来るだけ多く作っておくこと
以上のようなことを推奨しておきます。