本日はレッスン開始前に弓のグリップの取り付けを行いました。
シリコンチューブを適度な長さにカットしたものですが、このグリップを付ける目的は2つあります。
1つは親指の先が当たる弓の木の部分が擦れて削れるのを防ぐため。
もう1つは弓を保持する際の指先の負担を軽くするためです。
このグリップは、中指と親指以外の指は触れないよう、斜めにカットしてあります。
弓を持つ際はこのグリップから中指の第一関節の内側と親指の先が如何なる場合でもズレることが無いよう、注意しましょう。
右手の基本技術のレッスンを行う前に、ピッツィカート奏法における指先の当たる位置について手短かにレクチャーしておきました。
特に、「f」など強い音を出す際は駒に近い方を弾くように心がけましょう。
レッスンの本題の方、前回に引き続き最初に全弓でのロングトーンを弾いて頂きました。
弦に対する90度の弓の角度の保持や右手先の返弓動作など、前回より良くなっていると思います。
しかし、その返弓動作を行っているうちに弓を保持する肝心な右手の指先がどんどんズレてしまっているのが気になりました。
本日取り付けました弓のグリップを頼りに、先ずは弓を持った右手の指先が返弓動作を行ってもズレることが無いよう、気を付けましょう。
本日はドッツァウアーのメソード(method)教本より第1番を用いて、返弓動作の基本についてレッスンしました。
1段目は各4本の開放弦による全音符と全休符が連なるだけですが、レッスン時に説明した通り、フェルマータが記された全休符の方に右手の基礎として非常に重要な意味があります。
このフェルマータが付けられた全休符の間に返弓動作を完了させる…ということです。
弓を弦の上で静止させた状態で、右手の指先の屈伸運動と共に「右手首」を進行方向に先導させる…というのがここで行う操作になります。
その際、右手の甲が反時計回りに傾いていないと、この動作を行うことは出来ません。
レッスン時に幾度か説明しましたが、弓を弦に乗せて構える際、手首が指板の方に寄っていることがポイントになります。
指の屈伸運動における支点について質問がありましたが、支点軸は第一関節ではなく、第三関節の方になります。
弦に対する90度の弓の角度を保持するために、第ニ関節及び第一関節の屈伸が必須…ということです。
また次回、この重要な基礎技術についてレクチャーしようと思います。
この動作を有効に反映させるために、右手の甲を反時計回りに少しだけ回転させることを忘れないようにしましょう。