本日はレッスンを開始しようとしたところ生徒様のチェロの弦が3本、大幅に弛んでいましたので、それの手直しを先に行いました。
その際、新しい弦を張り替えるときの糸巻きの巻き方等を実演にて伝授しておきました。
温度差や湿度差が大きくなると弦が大きく弛むことが稀にありますので、そのような環境の際は楽器の管理に良く気をつけましょう。
レッスンの方は手始めに4本の各弦にて弓元から弓先までのロングトーンの練習を行って頂きました。
C線、G線では弓の当たる位置が改善されており、音が良く鳴っていました。
D線とA線を弾く際の弓の当たる位置が心持ち駒から遠い感がありましたので、もう少し駒に近づけるよう、指摘しておきました。
各弦とも弦に対する弓の角度はほぼ90度に保てており、好感が持てました。
オーケストラ曲の方は始めにエルガーの威風堂々より最後のページをレッスンしました。
あまり時間がありませんでしたので、先ずはオーソドックスな指使いなどを実演にてレクチャー致しました。
A線の開放弦からいきなり第8ポジションに飛ぶ箇所がありますが、事前に第8ポジションでの親指の位置などをレッスンしておきましたので、その位置を基盤として第8ポジションにおける各指(1、2、3指)の指幅を良く覚えましょう。
また次回、威風堂々をリトライ致したいと思います。
残り時間があまりありませんでしたので、次にチャイコフスキーの交響曲第1番の第三楽章の終わり2小節、二つの重音の弾き方について手短かにレクチャーしました。
この二つの重音にはスタッカート記号としての「・」が付けられていますが、普通に弾くと弾いた後に余韻が長く残ってしまいますので、速やかに余韻を消して鋭く短い音にするための「secco」(セッコ)で弾くという奏法を伝授しておきました。